2015年03月16日

絵本「いるの いないの」



京極 夏彦作 町田尚子絵「いるの いないの」を読みました。

シンプルな話だけに、余計怖さが際立ちました。


「図書館の閉架書庫に保管されてるのは、子供が見たら泣いちゃうからかなあ」と勘ぐりました。

借りてきて、少し後悔。あまりにも怖かったので、縛った古紙の束に紛れさせ、隠して寝ました(^_^;)。

うーん…でも、ここに出てくるおじさんの幽霊(?)は何で怒った顔してるのかなあ、と。

もしかしたら、この家の家族が「見なければいないのと一緒」って言ってるから?

「無関心」だから?

私はこのお話の訴えたいテーマは、そこかなあと思いました。

先日、何気なく国民年金のことを調べていたら資産運用されていることを知ってしまいました。


そんなの通知されてたっけ?

資産運用は失敗のリスクもあるよね。


幽霊も怖いけど、「無関心」はもっと怖いかもしれませんね。
 


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2014年11月01日

主婦願望?

写真家 林典子著「キルギスの誘拐結婚」を読みました。

中央アジア キルギスでは法律で禁止されている誘拐結婚が横行しており、警察も充分な取り締まりを行っていない。

男性が見染めた女性を誘拐し、結婚を迫る実態が、写真と文章で紹介されています。
女性が誘拐された末に、婚姻を拒否することは「両親や家の恥」に繋がるとして、数時間抵抗した後、泣く泣く受け入れるケースが多いそうです。

セクハラや性暴力で、被害者側が泣き寝入りを強いられる日本の風潮に近いものを感じました。誘拐している男性に、全く悪気がなさそうなこと。「見るからに悪人」ではなく、普通の一見善良そうな人達であるところまで、そっくりでした。




そういえば昨日の衆議院本会議で女性の活用について質問がされてました。
次世代の党 杉田水脈(みお)議員が、「戦後の男女参画政策が偽りの男女平等。少子化を進め、DVなどの増加を招いた。」というような文脈の発言していて、驚きました。そして「男女参画法は撤廃すべき」と。

http://ow.ly/3tCFe5

岡谷あいとぴあ(男女参画センター)では、市民がデートDVなどの資料を閲覧できるようになっています。横浜市フォーラムも、デートDV写真展、子育て支援も積極的に行っています。

杉田議員が本気で発言しているなら、事実誤認があるのではないかと思います。

確かに戦争中は「伝統的価値観」で女性に対し「産めよ増やせよ」だったでしょう。でもそれは女性の意志や人権を蔑ろにした強制だったのでは?結果的に戦後、多くの子供達が浮浪者として街に溢れたのではなかったでしょうか?

伝統的な性的役割分担のもとでは、男性がパートナーを殴ることも「夫婦喧嘩」ですまされていませんでしたか?

男女参画をなくすことは、男性も女性も子供も、1人の人間として尊重される土壌をなくすことでは?

そして女性には参政権すらなかった時代に逆行することでは?

そうなったら、杉田議員もすぐにでも男性により政治家の職を奪われはしないでしょうか?

参政権もない状態で、女性が政治家として活躍することが許されるとも思えません。

思うに、彼女は「主婦願望」が強いのかな?

男女の役割分担に拘るのは、別に構わないです。  

でも、それを他人にまで強制はしないで欲しい。

日本もキルギスも、個人の意志や自由が尊重される社会になって欲しい。

 



 


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